第十八回 慶讃法要(二)
3月25日から京都、御本山では第1期法要が厳修されます。
各地から本山への団体参拝も始まりました。
当寺も団体参拝を行いましたので、今月はその内容について報告させていただきます。
初日の25日、中日の4月1日、満座日の4月8日以外は平日法要となります。
平日法要も27日以外は午後開始となります。
では、経過についてご説明をしましょう。
法要は午後となりますので、午前に落語があります。演者は桂小春團治、演目は「親鸞でいこう」 でした。小春團治師が、パンフレット(写真1)で以下のことを述べていますので、ご紹介します。
お葬式をキッカケに何も知らなかった男が、浄土真宗のこと、親鸞聖人のことを教えてもらって、ビックリと感動・・・。私たちだって実は知ってるようでほんとは知らない「親鸞聖人のご生涯」 を落語を通して、楽しく学んでみたいと思います。
ということでしたので、楽しみにしておりました。
二部制で公演時間は30分、当寺は二部目の午前11時(一部目は午前9時半)開始でした。場所は親鸞ギャラリーの地下にある視聴覚ホールです。
紹介通り面白い内容でした。物知りの名主さんと狂言回しの男性、その二人が、お寺とのつきあいを、ちゃかしていましたが、なかなかツボを得ていました。
最後のオチも、きちんと用意されており、あっというまの30分でした。
落語が終わった後は、おとき(お食事)です。お食事場所は本山書院と別邸の渉成園(しょうせいえん)です。
当寺は渉成園でいただきました。約二十種類の具材が入った精進料理でした。
食事後は午後の法要です。午後1時20分が法要の開始時間でしたので、堂内には1時頃に入りました。
前座として簡単な催しがあります。当寺がお参りした日は、幼稚園児の慶讃法要テーマソング合唱でした。
そのあと、内局からの挨拶がありました。阿弥陀堂は宗務総長(しゅうむそうちょう)、御影堂は法要担当参務(さんむ)の挨拶です。
内局というのは内閣みたいなものでしょうか。宗務総長は総理大臣、参務は大臣のようなものです。
挨拶後、法要です。
前回に掲載しました本山の言葉には以下の文がございました。
このたびの慶讃法要は、阿弥陀堂と御影堂が一体となって勤まる初めての法要です。阿弥陀堂において『仏説阿弥陀経』の世界・浄土の荘厳にふれ、そのいわれを御影堂において、宗祖のお言葉に学んでいく。宗祖の御誕生を寿(ことほ)ぎつつ、その教えをあらためて確かめてまいります。
ご参拝の際には『真宗大谷派勤行集』(赤本)や『正信偈書写本』持参いただき、ご一緒にお勤めしましょう。
伽陀(かだ)が上がり、法要が始まります。この伽陀は、法要の最初に発声するもので、辞書では、「仏徳を賛嘆し教理を述べる、旋律のついた韻文」と説明されています。
葬式などにも用いますので、仏様にご縁のある方は、どこかで聞いておられるかと存じます。
伽陀の最中に本山御門首の登高座が行われます。阿弥陀堂では御門首が柄香炉を持ち、ご本尊の阿弥陀様に直接に給仕をされます。
当寺は御影堂の参拝でしたので、そのお給仕の姿はモニターごしでした。
ですが、タイミングといいますか、伽陀の上がる作法は阿弥陀堂にきっちりと合わせていました。
阿弥陀等と御影堂との一体法要ということですね。
御門首が表白を読み始めます、表白というのは法要の意味を表す挨拶文です。正式には表敬告白(ひょうけいこくはく)といい、法要への思いを挨拶と兼ねた告白文のようなものです。その後、『仏説阿弥陀経』が始まりました。
お経が終わると下高座です。下高座用の伽陀が発声され、御門首は山主席にもどりました。
そのあと、正信偈の始まりです。パンフレットのお言葉通り、門徒様が参加してのお勤めです。
当寺の門徒たちも唱和をし始め、堂内では正信偈が響き渡りました。
和讃ですが、今回は三首引きでした。門徒様たちも、よく心得たもので、初重、二重、三重と大きな声で合唱をしていました。
最後に、願似此功德 平等施一切 同發菩提心 往生安樂國の回向で終わりました。この回向も、葬式とかでは必ず用いますので、皆様にもなじみがあるでしょう。
そのあとは法話です。法話までの支度時間に学生による感話がありました。読んで字のごとく、自分の身近にあった感想を述べる物です。
法話が終わり、団体参拝の全日程が終わりました。
ここからは、私の感想ですが、やはり、大勢の門徒様方の唱和はすばらしいものです。まさに、これこそ本山での大法要です。これが法要のテーマを通した真宗大谷派の願いであり、この唱和を次の御遠忌まで残していくことは、絶対に必要だと固く思った次第です。
写真(2)は慶讃テーマと椅子の上に置いてあった膝掛けです。直接椅子では冷たいので、用意してくれたのでしょう。
係員に聞いたら、これが当日参拝記念品ということでしたので、写真に載せさせていただきました。
第2期法要は4月15日が初日で、29日に結願を迎えます。第1期と正反対で、28、29両日を除いては午前法要となります。
よって慶讃落語も第1部が午後1時半、第2部が午後3時となります。